ミステリ作家・藤岡真

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 上の写真は1986年の冬に、わたしがアメリカで撮影したものです。ルート66をニューメキシコからテキサスに入ろうとしていたときだったと思います。祖母、母、孫娘という構成(多分)の三人。運転しているサングラスをかけた母親はクールな感じの、ちょっといい女。孫娘は併走する車の中の怪しげな東洋人(わたし)をじっと見つめています。不機嫌そうな祖母はこの写真では分かりにくいですが、あっちにいけと、犬でも追い払うみたいに掌をひらひらさせておりました。全財産を車に積んだ、紛うかたなき夜逃げでしょう。このとき、わたしの脳裏には、なぜか「ロス・マクドナルド」という名前が過ぎりました。

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 藤岡用語 「笑歩(しょうほ)」略号SH

 日記にもしばしば登場する言葉です。
 学生時代友人と散歩していたとき、下町の商店街に、倒壊寸前、荒(あばら)屋といった建物が並んでいるのを見て、「こんな質素な暮らしをしながら懸命に生きている。涙が出てくる」などと感動したのだが、あまりにボロ家ばかりなので、ついに涙は笑いに変わり、とうとう爆笑して笑いが止まらなくなり酸欠状態で悶絶した。
 これが癖になり、こうした物件を求めて歩くことを「笑歩」と呼び習わし、しばしば実行、そして、その体験をエスカレートさせて綴った小説「笑歩」は第10回小説新潮新人賞を受賞した。「笑歩」の際に撮影した映像はVOWにも採用され、単行本で今も見ることが出来る。

まてぇ~る
 例えばこんな物件↑を求めて歩くことですな。
 今はなき荒屋ミシュラン堂々の☆☆☆、『まてぇーる』の勇姿です。
 詳しくは、日記の「笑歩誕生」を参照してください。