『笑歩』で小説新潮新人賞を受賞した翌年に発表した、第一長編。
狙撃する殺し屋「真弓」の原型は、中学生のときに書いた007のパロディ小説『ユニバーサル貿易からきた男』の美貌の女殺し屋なのである。ヒースロー空港でジェイムズ・ボンドを狙撃し「ジェイムズ・ボンドは死にました」と、その女がつぶやくプロローグより始まる痛快スパイアクションになる予定だったが、プロローグしか書かなかった(書けなかった)。
本作は角川書店単行本編集長石原正康氏(現・幻冬舎 専務取締役)のご好意により出版することができた。古賀春江の『海』を使ったカバーもとても気に入っていた。
なお昨今本作を「バカミス(褒め言葉)」といった言葉で評価してくれる方が多々いるが、作者としては釈然としないところである。
1994年 角川書店(絶版)